「クリスマスに生まれる悲しみ」(後編)
前回の続き
(前編はこちらから)
私はR君の後を追い、彼の部屋の扉を軽くノックしました。
扉越しに返事はありませんでしたが、中からかすかにすすり泣く音が聞こえてきました。
そっとドアを開けると、R君はベッドの中で布団に顔を埋めてい泣いていました。私はベッドの横に座り、R君の背中をさすりました。R君はしばらく泣いていましたが、次第に落ち着いてきました。
しばらく沈黙の後、彼がぽつりと話し始めました。
「俺のお母さん、なんで来ないのかな…」
その言葉に私の胸も締めつけられるような思いがしました。他の子が交流している所を見て、彼がずっと心の中で抱えていた不安や寂しさが我慢の限界を超えてしまったのです。
R君のお母さんは一人親で、さらに精神疾患を患っています。安定して就労することができず、自分一人での生活を維持させることさえ難しい状況です。
私はできる限りR君の話を聞き、彼に寄り添いました。それでも、子どもの悲しみを完全に取り除くことはできません。ただ、言葉にすることでR君が溜め込んでいたものが少し抜けていき、声がいつものトーンに戻っていきました。
その日をきっかけに、R君が本音や家庭での出来事を話してくれるようになりました。
私自身が根本解決することはできませんが、施設職員として彼の気持ちに気づき、これからも離れることなく寄り添っていこうと思いました。
そして、数日が経ったクリスマス当日。
施設のホールには、小さなツリーが飾られ、子どもたちはプレゼントが配られるのを楽しみに待っていました。R君にも、彼がリクエストした「小さな車のラジコン」と施設の子どもたち全員で一緒に遊ぶ用の「ゲーム機」が届きました。それは「サンタクロース」からの贈り物として手渡されました。プレゼントを受け取った瞬間、R君は満面の笑みを浮かべました。
「やった!本当にラジコンだ!」
彼はそのラジコンを手に取り、まるで宝物を扱うかのように大事に抱きしめました。
子どもたちの笑顔があふれるホールで、私は改めて思いました。クリスマスの悲しみは完全にはなくせなくても、私たち職員がその一部に寄り添うことで、子どもたちの心に少しでも温かい記憶を残すことができるのだと。
今年のあしながサンタの受付期間について
今年のあしながサンタのご寄付受付は、12月10日までとなっております。
※12月10日を過ぎたご寄付受付に関しましては、来年のクリスマスプレゼント代として支援させていただく形になります。
児童養護施設の子どもたちへのご寄付をご検討いただいている方は、お早めにお問い合わせください!
あしながサンタの活動について
私たちあしながサンタでは、活動を始めるにあたり、全国の児童養護施設へクリスマスプレゼントの予算に関するアンケート調査を行いました。回答のあった施設の調査結果から、子ども一人当たりのプレゼントの予算は平均約3,000円であることがわかりました。施設によっては、3,000円より少ないところもあります。少ない理由としては、子どもたちの被服費や習い事などに予算を充てていることが挙げられます。
児童養護施設の職員さんに「いくらあれば子どもたちが望むプレゼントを購入できるか」を伺ったところ、「子どもたちが望むプレゼントを購入できるのは、約5,000円あれば助かります。」という声がありました。アンケートの調査結果、平均約3,000円であることを踏まえると、この額では十分ではありません。
私たちあしながサンタでは、皆様からのご寄付で差額分をまかなうことにより、子どもたちが望むプレゼントを届けることが出来ます。あしながサンタでは、子ども一人あたり2,000円を届けています。
あしながサンタの皆様の一人ひとりのご寄付が集まることで、一人でも多くの子どもたちが望むプレゼントを届けることができます。
2024年度あしながサンタになっていただける方々を募集しております。
あしながサンタは今年のクリスマスが子どもたちにとって思い出に残る特別な1日にするために、子どもたちのあしながサンタになってくださる方を大募集しております。子どもたちが、笑顔いっぱいのクリスマスになるように、多くの方のご理解とご支援をお願いします。
<個人の方からのご寄付はこちらの画像をクリックしてください>
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オレンジの羽根募金
児童養護施設の子どもが安心できる社会づくりへ
「オレンジの羽根運動」は、児童養護施設の現場職員が発足した社会活動です。
入所中の子どもたち、卒園する子どもたちにとってより良い社会で生活するために児童養護施設を正しく知っていただき、
共に支える大人の輪をつくることが目的です。
そんな想いで、私たちはこの活動を行なっています。
多くのみなさまへ活動を周知されるご協力をよろしくおねがいします。
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【FM世田谷/放送中】はなわと岩崎ひろみの ON AIR もっち〜ラジオ
お笑いタレント“はなわ”と女優の“岩崎ひろみ” がお届けする『ON AIR もっち~ラジオ』♪” 子どもたちの“ワクワク♪”を、もっと大きく膨らまそう ”をテーマに、“はなわ”と“岩崎ひろみ”が、子育て経験も交えて面白おかしく元気にお届けします!
〈放送日時)毎週日曜日/11:00~11:15
〈パーソナリティ〉はなわ 岩崎ひろみ
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【公開中】Youtubeチャンネル
日本児童養護施設財団のYoutubeチャンネルにて、『もっち〜とあっき〜が行く施設長インタビュー』『応援メッセージ』『ON AIR もっち〜ラジオのアーカイブ』『寄付サイト』のPVが公開中です。チャンネル登録して頂けますと幸いです。
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【無料掲載】卒園生対象 企業求人サイト
もっち〜ナビは就職を希望する子どもたちの選択肢が広がるように願いを込めて運営している児童養護施設専門の求人サイトです。施設で暮らす若さ溢れる子どもたちを積極的に採用したい企業のみが求人掲載をしているので、これから施設を退所する高校生や一度施設を退所した卒園児が再就職を目指す場合に活用してください。求人情報にある企業の窓口にご連絡をしていただけますと、求人担当から案内を受けることができます。この事業は営利活動ではないため、掲載課金、採用課金、応募課金、オプション課金は一切しておりません。掲載したい企業も随時募集しております。
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【開館中】日本子ども未来展 オンライン美術館
日本子ども未来展は、児童養護施設の子どもたちの豊かな成長を願うと共に、子どもたちが描く絵画を通して日々の生活だけでなく、子どもたちがそれぞれ持つ「夢」や「希望」を自由に表現する事で自分たちの将来について考える「きっかけ」を持ってもらうことを目的に実施しております。是非ご入館してみてください。子どもたちの素敵な感性や表現力の高さを垣間見れるので手を差し伸べたくなると思います。
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【寄付】あしながサンタ
2019年8月に全国の児童養護施設(607施設)へ、クリスマスに関してのアンケート調査を実施しました。アンケート調査により、1施設あたりの子ども1人に対してのクリスマスプレゼント代の平均予算(約3000円)がわかりました。そこで分かったのが、どの施設も子どもたちが施設生活を送る上で、不自由がない生活を送らせるために、クリスマスの予算を、習い事、衣服費、小遣い、ユニット旅費などに、適切に振り分けられていることがわかりました。ここに私たちがサポートできることがあると考えました。
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地域のスポンサーを必要としております。